2019年7月19日金曜日

FOSTEX T50RP mk3

フォステクス T50RP mk3n (2015年発売)


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構造:セミオープンエアー型
ドライバー:RP(全面駆動)方式
インピーダンス:50Ω
最大入力:3,000mW
再生周波数帯域:15〜35,000Hz
出力感度:92dB
重量:約315g (コード含まず)
販売価格:約18,000円〜
frequency response
T50RP mk3n 周波数特性(平面計測)

T50RP mk3n Frequency Response
T50RP mk3n 周波数特性(旧ダミーヘッド)


寸評:
超の付くような高級機も多い平面振動板型ドライバーの搭載機だが、そんな中で希少な普及価格で提供され続けているありがたい存在のシリーズ第三世代。
コイルパターンの見直しによりニュートラルな特性バランスに進化しており、クリアーでスッキリと抜けの良い元気な出音が得られている。
能率が低いため出力が小さめではあるが、一般使用において不十分ということはない。
イヤーパッドが薄いため耳への当たりが大きく、やや装着疲れしやすいか。
着脱式ケーブルはミニプラグ1.2m、標準プラグ3mの二種付属。現行T50RP mk3gは付属ケーブルの接触不良対策としてプラグを金メッキ仕様としたリニューアルパッケージで、本体そのものに変更はない。改善ケーブルはそれぞれET-RP1.2ET-RP3.0として販売されている。

なお、型番末尾の「n」「g」は日本国内製品のみに付く。

2019年7月14日日曜日

Sennheiser HD 598 Cs

ゼンハイザー HD 598 Cs (2016年発売)




構造:密閉ダイナミック型
ドライバー:非公開
インピーダンス:23Ω
最大入力:非公開
再生周波数帯域:10〜28,000Hz
出力感度:115dB
重量:約334g (コード含まず)
販売価格:約14,000円〜
HD 598 Cs 周波数特性(平面計測)

HD 598 Cs Frequency Response
HD 598 Cs 周波数特性(旧ダミーヘッド)

寸評:
開放型で知られるHD500系異色の密閉型モデル。
直系の印象を損ねず当たりの柔らかいサウンドを醸すが、低域が深くワイドに伸びつつも特性がニュートラルに整えられたことでもたつき緩和とともに音場に奥行きが加わり、聴き心地は確実に向上している。
ツヤ感、空気感として高域にもうひと伸び欲しい印象だが、系譜の出音にこだわったチューニングは譲れないところか。
沈み込みの良いソフトなクッション性の大型イヤーパッドは(勘違いされがちだがベロアではない)フロック(植毛)生地仕立ての珍しい仕様。装着感は良好だが、密閉型としては音漏れは目立つ。

なお、型番末尾英字が付く当機は特別モデルで、メーカー公式ラインナップには同一スペック(ヘッドアームは従来形状)のHD 569が同時期に出ている。

Sennheiser HD 598

ゼンハイザー HD 598 (2010年発売)




構造:オープンエアー型
ドライバー:非公開
インピーダンス:50Ω
最大入力:非公開
再生周波数帯域:12〜38,500Hz
出力感度:112dB
重量:約246g (コード含まず)
販売価格:約25,000円〜
frequency response
HD598 周波数特性(平面計測)

HD598 Frequency Response
HD598 周波数特性(旧ダミーヘッド)


寸評:
低域不足が宿命の開放型によく見られる尻上げチューン。下位機に比べれば控えめな持ち上げ方で全体像の見通しは幾分良いが、やはり中低域の重々しさにより周辺音像の明瞭感が損なわれがちでスッキリとしない。また音場の奥行きが浅く、かなり迫った聴かせ方をするのも特徴。

当機派生の特別仕様ラインナップが多いが、同じ型番を持つ HD 598 SEは色違い、HD 598 SRはデザイン、パッケージと共に低価格化されたマイナーチェンジモデルでいずれも仕様変更はない。またHD 598 Csはマイナーチェンジの密閉型モデル。

2019年7月13日土曜日

Sennheiser MOMENTUM Wireless (M2 AEBT)

ゼンハイザー モメンタム ワイヤレス (2015年発売)




構造:密閉ダイナミック型
ドライバー:非公開
インピーダンス:28Ω (パッシブモード)、480Ω (アクティブモード)
最大入力:非公開
再生周波数帯域:16〜22,000Hz
感度:113dB
重量:約265g
市場価格:約28,000円〜
Bluetooth規格:4.0
対応コーデック:SBC、aptX
連続再生時間:22時間
frequency response
MOMENTUM Wireless [Line / NoiseGurd off] 周波数特性(平面計測)

MOMENTUM Wireless [BT] Frequency Response
MOMENTUM Wireless [Bluetooth / NoiseGurd on] 周波数特性(旧ダミーヘッド)

MOMENTUM Wireless [Line] Frequency Response
MOMENTUM Wireless [Line / NoiseGurd off] 周波数特性(旧ダミーヘッド)


寸評:
第二世代MOMENTUM(M2)をベースにBluetooth、NoiseGurdを搭載したモデル。
出音はM2そのものと言って良いが、基本傾向は初代より色濃く継承されており、ハウジング周りの見直しにより装着性改善がなされたことでややスッキリと見通しの良い音になっている。
ノイズキャンセルは音質への干渉が全く感じられないレベルで十分な効果が得られる。
ワイヤレスアンプ組み込みによりハウジングの厚みが増えたほか、渡りケーブルが平太なものに変更されているが、重量は更に増え初代より1.5倍増。
操作部、接続端子は全て右側に配置されている。

audio-technica ATH-AVC500

オーディオテクニカ ATH-AVC500 (2015年発売)




構造:密閉ダイナミック型
ドライバー:53mm CCAW
インピーダンス:40Ω
最大入力:1,800mW
再生周波数帯域:10〜25,000Hz
出力感度:106dB
重量:約270g
販売価格:約5,000円〜

ATH-AVC500 Frequency Response
ATH-AVC500 周波数特性(旧ダミーヘッド)


寸評:
メリハリの効いた元気な出音だが、かなり癖っぽい鳴らし方で前面にくる割にこもりがちだったり存在感のある音が変に奥まったりと、主張の強さとツヤ感とが噛み合わず不自然な立体感や独特な音質変化を醸すところがある。
ATH-AVA500の姉妹機となる密閉型モデルで、ハウジング構造とイヤーパッド以外基本構造は同じ。ドライバーも同一と思われるがグリルのメッシュパターンの違いのほか、当機ではバッフル設置角を設けているといった相違がある。

FOSTEX TH7

FOSTEX TH7 (2016年発売)




構造:密閉ダイナミック型
ドライバー:40mm
インピーダンス:70Ω
最大入力:100mW
再生周波数帯域:10〜35,000Hz
出力感度:100dB
重量:約265g
販売価格:約6,500円〜
frequency response
TH7 周波数特性(平面計測)

TH7 周波数特性(旧ダミーヘッド)


寸評:
低域荷重の目立つた前代TH-7Bの基本構造そのままに、密閉構造とすることにより低音域増幅を抑制し、繋がりの良い自然な鳴りを得ている。しかしその反面で、中抜け型の特性バランスで得られていた音場の奥行き感も薄まる結果となり、昨今のニーズとは裏腹な平面的で味気のない出音に変わってしまった。
またファッション性アピールの4色カラーバリエーションだが、ただただチープさが増し玩具感が強まるばかりな印象も。
良化点としては、さりげないながらも装着する際にヘッドバンドのアジャスタが勝手に戻ってしまうことがなくなったのは嬉しい。