2018年9月18日火曜日

Sennheiser HD 4.20S

ゼンハイザー HD 4.20S (2016年発売)




構造:密閉ダイナミック型
ドライバー:非公開
インピーダンス:18Ω
最大入力:非公開
再生周波数帯域:18〜20,000Hz
出力感度:118dB
重量:約182g (コード含む)
販売価格:約8,000円〜

Frequency Response
HD 4.20S 周波数特性(旧ダミーヘッド)

寸評:
一見してMOMENTUM(第二世代)の廉価モデルを匂わせるが、特性カーブ自体が非常によく似ていることから基本構造や使用ユニットはほぼ同等のものと推測できる。
計測データを比較すると微妙に低域が下がり気味に表れているが、実際に聴き比べてみるとむしろ低域荷重が強く、また高域側が僅かに伸び足らない印象。その分透明感、音場感がわずかに乏しく感じられなくもないが、全体像としてはよく似た出音が再現されている。
レトロなMOMENTUMとは逆にモダンなデザインだが、細身のヘッドバンドは簡素なゴムクッションで折りたたみ式。イヤーパッドはMOENTUMのものと似ているが、内口径が微妙に小さく耳にきつい。
右側からの固定片出しケーブルは一般的でなく扱いに戸惑うが、便利な場合もある。

MOMENTUM(第二世代)との出音の違いはイヤーパッドの依存度が高いようで、同じイヤーパッドに揃えるとかなり肉薄した出音になる。

2019年、スペックをそのまま継承する後継機HD 300が登場している。

SHURE SRH840

シュアー SRH840 (2009年発売)




構造:密閉ダイナミック型
ドライバー:40mm
インピーダンス:44Ω
最大入力:1,000mW
再生周波数帯域:5〜25,000Hz
出力感度:102dB
重量:372g (コード含まず)
販売価格:約14,000円〜
frequency response
SRH840 周波数特性(平面計測)

Frequency Response
SRH840 周波数特性(旧ダミーヘッド)

寸評:
当初のSRHシリーズ最上位機。
SRH440とは傾向のよく似た出音傾向で、高域を落ち着かせてニュートラル性を増した上位らしいサウンドを感じさせる。
通常現場では意味のない折りたたみ構造のために重量が増している点も気になるところで、付属ケーブルがカールコードであることからも重さが負担となる場面は多いだろう。
プラ主体の構造でキシミがちなのは変わらず、また破損事例も少なくないようで、このシリーズは構造的難点が目立つのが残念。

当機のサウンドを色濃く継承しつつ軽量化、ベロア化などにより装着性向上した上位機SRH940が後に登場している。

2018年9月14日金曜日

audio-technica ATH-M30

オーディオテクニカ ATH-M30 (2006年発売)




構造:密閉ダイナミック型
ドライバー:40mm
インピーダンス:65Ω
最大入力:1,600mW
再生周波数帯域:20〜20,000Hz
出力感度:100dB
重量:200g (コード含まず)
販売価格:約7,000円〜

ATH-M30 Frequency Resopnse
ATH-M30 周波数特性(旧ダミーヘッド)


寸評:
やや低音荷重気味なバランス。中音域の鳴らし方は自然でボーカルなどの再現性は良いが、高域の伸びがやや乏しく艶やかさが薄い。
ヘッドバンドは一般的によく目にするスタンダードな構造デザインだが、軽量で且つ適度な側圧により装着感は良い。

2018年9月3日月曜日

KRK SYSTEMS KNS 6400

ケーアールケーシステムズ KNS 6400 (2010年発売)




構造:密閉ダイナミック型
ドライバー:40mm
インピーダンス:36Ω
最大入力:1,000mW
再生周波数帯域:10〜22,000Hz
出力感度:95dB
重量:202g (コード含まず)
市場価格:約6,000円〜
frequency response
KNS6400 周波数特性(平面計測)

Frequency Response
KNS6400 周波数特性(旧ダミーヘッド)


寸評:
低音の鳴らし方が少し軽い印象も、可聴範囲ほぼ全域に渡って非常に平滑な特性で特別耳に付くような癖は感じられない。また軽量で装着感も軽めなので長時間の使用でも疲れにくく、用途を問わず使い勝手に優れた一台。
昨今の味付けが強めな音に慣れてしまうとやや丸みを帯びた大人しめな全体像にも感じられるが、しっかりと輪郭があり濁りのない出音であることからもむしろこれが自然なのだと気付かせてくれる。
やや華奢な作りで角面の多いいささか幼稚さを醸すデザインだが、意外にしっかりしていてキシミがないのが救いどころ。
着脱式の専用ケーブルは硬くゴワつきがちで、ゴム表皮のグリップも強く取り回しづらい。
ハウジングが簡素な構造なのか、抜き穴も相まって密閉型にしては音漏れは比較的多め。