2019年11月28日木曜日

Sennheiser HD 569

ゼンハイザー HD 569 (2016年発売)




構造:密閉ダイナミック型
ドライバー:非公開
インピーダンス:23Ω
最大入力:非公開
再生周波数帯域:10〜28,000Hz
出力感度:115dB
重量:約286g (コード含まず)
販売価格:約14,000円〜
frequency response
HD 569 周波数特性(平面計測)

HD 569 Frequency Response
HD 569 周波数特性(旧ダミーヘッド)


寸評:
HD 500シリーズ異色の密閉型モデルで、Amazon.co.jp限定販売とされるHD 598 Csとは外観デザインが異なるのみの同一性能機。こちらがメーカー正規ラインナップとなる。
重量面で多少のアドバンテージがあるが、革巻きヘッドバンドの新型に比べ従来型デザインはいささかチープに見える上、若干タイトな装着構造のため頭幅のある人にはフィット感がやや甘い。そのため589 Csとは聞こえ方の印象が異なる場合がある。

KRK SYSTEMS KNS 8400

ケーアールケーシステムズ KNS 8400 (2010年発売)




構造:密閉ダイナミック型
ドライバー:40mm
インピーダンス:36Ω
最大入力:1,000mW
再生周波数帯域:5〜23,000Hz
出力感度:97dB
重量:232g (コード含まず)
販売価格:約13,000円〜
frequency response
KNS 8400 周波数特性(平面計測)

KNS 8400 Frequency Response
KNS 8400 周波数特性(旧ダミーヘッド)


寸評:
優しい鳴りのKNS 6400とは対照的にエッジの効いたドンシャリ系サウンドを醸す上位機。高域は素直で艶やかに鳴らし、タイトで堅い響きのベースが目立つ一方でやや中低域の抜け感は否めずも、その分奥行きのある広い音場を醸すだけに一般受けしそうな印象ではある。
構造的にKNS 6400と変わらないが、クッション部素材がプレミアムな仕様となっている。
ケーブルはKNS 6400と同一仕様だが、中間連結式のボリュームコントローラーが付属。

Behringer HPX6000 Professional DJ Headphones

ベリンガー HPX6000 DJ ヘッドフォン (2013年発売)




構造:密閉ダイナミック型
ドライバー:50mm
インピーダンス:24Ω
最大出力:2,000mW
再生周波数帯域:20〜20,000Hz
出力感度:98dB
重量:308g (コード含まず)
販売価格:約6,000円〜
HPX6000 Frequency Response
HPX6000 周波数特性 (平面計測)

HPX6000 Frequency Response
HPX6000 周波数特性 (旧ダミーヘッド)

寸評:
深くパワフルなベースがいささか過度で纏わりついてしまい、全体的に篭ったように聴こえてしまうのが勿体無い。
イヤーパッドが硬めで薄く、耳当たりが大きい上に耳を覆いきれない浅い装着感はとても良好とは言えず、熱がこもりやすいのも難点。

Takstar TS-671

タクスター TS-671 (2012年発売)




構造:オープンエアー型
ドライバー:53mm
インピーダンス:120Ω
最大入力:500mW
再生周波数帯域:12〜25,000Hz
出力感度:105dB
重量:約375g (コード含まず)
販売価格:約5,000円〜

TS-671 Frequency Response
TS-671 周波数特性(旧ダミーヘッド)


寸評:
一般的な開放型らしい鳴らし方が故低域が薄く細身な印象ではあるが、嫌味な癖がなく全体像がクリアーでしっかりと解像する素直な鳴りで、喩えるならオーテクAD系の印象によく似た出音。ヴォーカルなど若干ツヤ感の薄く映る部分も見受けられるがさほど気になるレベルではない。
特別側圧が強いわけでなくイヤーパッドも標準的なクッション性だが、大ぶりな構造、重量感により違和感の大きい装着性には多少のケチがつく。
ケーブルはカールコード2.2mで標準プラグの仕様。

2019年7月19日金曜日

FOSTEX T50RP mk3

フォステクス T50RP mk3n (2015年発売)


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構造:セミオープンエアー型
ドライバー:RP(全面駆動)方式
インピーダンス:50Ω
最大入力:3,000mW
再生周波数帯域:15〜35,000Hz
出力感度:92dB
重量:約315g (コード含まず)
販売価格:約18,000円〜
frequency response
T50RP mk3n 周波数特性(平面計測)

T50RP mk3n Frequency Response
T50RP mk3n 周波数特性(旧ダミーヘッド)


寸評:
超の付くような高級機も多い平面振動板型ドライバーの搭載機だが、そんな中で希少な普及価格で提供され続けているありがたい存在のシリーズ第三世代。
コイルパターンの見直しによりニュートラルな特性バランスに進化しており、クリアーでスッキリと抜けの良い元気な出音が得られている。
能率が低いため出力が小さめではあるが、一般使用において不十分ということはない。
イヤーパッドが薄いため耳への当たりが大きく、やや装着疲れしやすいか。
着脱式ケーブルはミニプラグ1.2m、標準プラグ3mの二種付属。現行T50RP mk3gは付属ケーブルの接触不良対策としてプラグを金メッキ仕様としたリニューアルパッケージで、本体そのものに変更はない。改善ケーブルはそれぞれET-RP1.2ET-RP3.0として販売されている。

なお、型番末尾の「n」「g」は日本国内製品のみに付く。

2019年7月14日日曜日

Sennheiser HD 598 Cs

ゼンハイザー HD 598 Cs (2016年発売)




構造:密閉ダイナミック型
ドライバー:非公開
インピーダンス:23Ω
最大入力:非公開
再生周波数帯域:10〜28,000Hz
出力感度:115dB
重量:約334g (コード含まず)
販売価格:約14,000円〜
HD 598 Cs 周波数特性(平面計測)

HD 598 Cs Frequency Response
HD 598 Cs 周波数特性(旧ダミーヘッド)

寸評:
開放型で知られるHD500系異色の密閉型モデル。
直系の印象を損ねず当たりの柔らかいサウンドを醸すが、低域が深くワイドに伸びつつも特性がニュートラルに整えられたことでもたつき緩和とともに音場に奥行きが加わり、聴き心地は確実に向上している。
ツヤ感、空気感として高域にもうひと伸び欲しい印象だが、系譜の出音にこだわったチューニングは譲れないところか。
沈み込みの良いソフトなクッション性の大型イヤーパッドは(勘違いされがちだがベロアではない)フロック(植毛)生地仕立ての珍しい仕様。装着感は良好だが、密閉型としては音漏れは目立つ。

なお、型番末尾英字が付く当機は特別モデルで、メーカー公式ラインナップには同一スペック(ヘッドアームは従来形状)のHD 569が同時期に出ている。

Sennheiser HD 598

ゼンハイザー HD 598 (2010年発売)




構造:オープンエアー型
ドライバー:非公開
インピーダンス:50Ω
最大入力:非公開
再生周波数帯域:12〜38,500Hz
出力感度:112dB
重量:約246g (コード含まず)
販売価格:約25,000円〜
frequency response
HD598 周波数特性(平面計測)

HD598 Frequency Response
HD598 周波数特性(旧ダミーヘッド)


寸評:
低域不足が宿命の開放型によく見られる尻上げチューン。下位機に比べれば控えめな持ち上げ方で全体像の見通しは幾分良いが、やはり中低域の重々しさにより周辺音像の明瞭感が損なわれがちでスッキリとしない。また音場の奥行きが浅く、かなり迫った聴かせ方をするのも特徴。

当機派生の特別仕様ラインナップが多いが、同じ型番を持つ HD 598 SEは色違い、HD 598 SRはデザイン、パッケージと共に低価格化されたマイナーチェンジモデルでいずれも仕様変更はない。またHD 598 Csはマイナーチェンジの密閉型モデル。

2019年7月13日土曜日

Sennheiser MOMENTUM Wireless (M2 AEBT)

ゼンハイザー モメンタム ワイヤレス (2015年発売)




構造:密閉ダイナミック型
ドライバー:非公開
インピーダンス:28Ω (パッシブモード)、480Ω (アクティブモード)
最大入力:非公開
再生周波数帯域:16〜22,000Hz
感度:113dB
重量:約265g
市場価格:約28,000円〜
Bluetooth規格:4.0
対応コーデック:SBC、aptX
連続再生時間:22時間
frequency response
MOMENTUM Wireless [Line / NoiseGurd off] 周波数特性(平面計測)

MOMENTUM Wireless [BT] Frequency Response
MOMENTUM Wireless [Bluetooth / NoiseGurd on] 周波数特性(旧ダミーヘッド)

MOMENTUM Wireless [Line] Frequency Response
MOMENTUM Wireless [Line / NoiseGurd off] 周波数特性(旧ダミーヘッド)


寸評:
第二世代MOMENTUM(M2)をベースにBluetooth、NoiseGurdを搭載したモデル。
出音はM2そのものと言って良いが、基本傾向は初代より色濃く継承されており、ハウジング周りの見直しにより装着性改善がなされたことでややスッキリと見通しの良い音になっている。
ノイズキャンセルは音質への干渉が全く感じられないレベルで十分な効果が得られる。
ワイヤレスアンプ組み込みによりハウジングの厚みが増えたほか、渡りケーブルが平太なものに変更されているが、重量は更に増え初代より1.5倍増。
操作部、接続端子は全て右側に配置されている。

audio-technica ATH-AVC500

オーディオテクニカ ATH-AVC500 (2015年発売)




構造:密閉ダイナミック型
ドライバー:53mm CCAW
インピーダンス:40Ω
最大入力:1,800mW
再生周波数帯域:10〜25,000Hz
出力感度:106dB
重量:約270g
販売価格:約5,000円〜

ATH-AVC500 Frequency Response
ATH-AVC500 周波数特性(旧ダミーヘッド)


寸評:
メリハリの効いた元気な出音だが、かなり癖っぽい鳴らし方で前面にくる割にこもりがちだったり存在感のある音が変に奥まったりと、主張の強さとツヤ感とが噛み合わず不自然な立体感や独特な音質変化を醸すところがある。
ATH-AVA500の姉妹機となる密閉型モデルで、ハウジング構造とイヤーパッド以外基本構造は同じ。ドライバーも同一と思われるがグリルのメッシュパターンの違いのほか、当機ではバッフル設置角を設けているといった相違がある。

FOSTEX TH7

FOSTEX TH7 (2016年発売)




構造:密閉ダイナミック型
ドライバー:40mm
インピーダンス:70Ω
最大入力:100mW
再生周波数帯域:10〜35,000Hz
出力感度:100dB
重量:約265g
販売価格:約6,500円〜
frequency response
TH7 周波数特性(平面計測)

TH7 周波数特性(旧ダミーヘッド)


寸評:
低域荷重の目立つた前代TH-7Bの基本構造そのままに、密閉構造とすることにより低音域増幅を抑制し、繋がりの良い自然な鳴りを得ている。しかしその反面で、中抜け型の特性バランスで得られていた音場の奥行き感も薄まる結果となり、昨今のニーズとは裏腹な平面的で味気のない出音に変わってしまった。
またファッション性アピールの4色カラーバリエーションだが、ただただチープさが増し玩具感が強まるばかりな印象も。
良化点としては、さりげないながらも装着する際にヘッドバンドのアジャスタが勝手に戻ってしまうことがなくなったのは嬉しい。

2019年6月12日水曜日

Marshall Monitor Black

マーシャル モニター ブラック (2013年発売)




構造:密閉ダイナミック型
ドライバー:40mm
インピーダンス:42Ω
最大入力:非公開
再生周波数帯域:10〜20,000Hz
出力感度:99dB
重量:271g
販売価格:約15,000円〜

Marshall Monitor Frequency Response
Marshall Monitor 周波数特性(旧ダミーヘッド)

寸評:
かまぼこ特性傾向の非常にマイルドな出音。低域は無用な盛りがないので不自然ではないが大人しめで、ハイは超高域まで出せてはいるようだが主張が薄いためシャープさ、解像感に乏しく、ナローなレンジ感で少々こもった印象の鳴り。
折りたたむと無駄なくコンパクトにまとまる点においては秀逸デザインだが、角度調整機構が簡素で融通が効かず、またヘッドバンドのアーチが小さく頭部のフィット感がないなど装着性部分の犠牲は否めず。
イヤーパッドが小振りで内口も耳にきつめ。またマグネット式で容易に着脱可能で、ドライバー前面に配された硬質フェルト製フィルターの着脱が容易に可能。このフィルターにより主に高音域の音量制御が可能となるが、元々派手さのない出音なので外しておくのがベター。
左右接続選択可能な着脱式片出しケーブル。

2019年5月24日金曜日

AKG K245

アーカーゲー K245 (2019年発売)




構造:オープンエアー型
ドライバー:50mm
インピーダンス:32Ω
最大入力:非公開
再生周波数帯域:15〜25,000Hz
出力感度:109dB
重量:約295g
販売価格:約7,000円〜
K245 Frequency Response
K245 周波数特性(平面計測)


K245 Frequency Response
K245 周波数特性(旧ダミーヘッド)

寸評:
K240系の後継モデルという位置付けだが、全面的仕様変更により出音傾向は大きく異なっており、超低域から広いレンジで鳴らす今時のデバイスらしく変貌を遂げている。
やや尻上げ傾向で低域の深みが印象的だが、全体的によく整った特性を示す。強いて言えば、中高域が少し抑えられ気味でヴォーカルなどのツヤが少し渋く映る面はある。

合皮タイプのイヤーパッドが用いられているため開放感は薄い。パッドの質感は従来のK240系よりかなりマシにはなったもののソフト感はそこそこのレベル。また微妙に増した縦横の圧力感や本体の重量感により装着性は一進一退の印象。
折りたたみ構造だが、形状的にさほどコンパクトに収まるわけでもなく中途半端。邪魔にはならないが実用性は薄い。
付属の着脱式カールコードは被覆が硬質で巻き部より本体側に触れるとタッチノイズが目立つ。

2019年5月14日火曜日

Sennheiser HD 280 Pro

ゼンハイザー HD 280 Pro (2004年発売)




構造:密閉ダイナミック型
ドライバー:非公開
インピーダンス:64Ω
最大入力:500mW
再生周波数帯域:8〜25,000Hz
出力感度:102dB
重量:約220g (コード含まず)
販売価格:約11,000円〜
frequency response
HD 280 Pro 周波数特性(平面計測)

HD 280 Pro Frequency Response
HD 280 Pro 周波数特性(旧ダミーヘッド)


寸評:
高域の伸びが少々地味で角の立たない大人しめな鳴りではあるが、超低域から満遍なく非常に特性の整った癖の少ない出音を実現しており、モニター機として申し分のない性能。
プラ主体で少々子供じみたデザインの折りたたみ構造だが、意外なほど堅牢。
側圧がかなり強くイヤーパッドのスポンジも硬めなため少々疲れやすい。
直出しカールコードで重量感は否めない。
なお、2017年にデザイン一新した新型が出ているが、基本仕様に変更はない。

2019年4月20日土曜日

イヤホンを調べてみた

ちょっと余興で、手元にあるイヤホンの特性を調べてみました。

長年Apple遣いなだけにApple率が高いです。また、そもそも個人的にイヤホンを好まないため手駒が少ない上に、バイノーラルマイク付きイヤホンといった特殊なものが含まれますが、その辺の参考としてご覧いただければと思います。

【3.5mmプラグタイプ】

AKG EO-IG955

Galaxy付属のイヤホン。比較用に入手したもの。
中高域までの密度はあるが、高域が伸びずこもったような出音。

AKG EO-IG955 周波数特性

Apple EarPods with 3.5mm Headphone Plug

別機にて出音の印象の違いが感じられたため再調査。二種類サンプルを上げますが、ケーブルの刻印からいずれも中国製造の純正品であることを確認済み。

当初掲載していたのがサンプルAで初期ロットのものですが、そもそも元々少々こもった感じで印象の良い音ではなかった記憶があり、また実質ほとんど使用していないことから製造時期やあるいはロットによる音質差異が大きい感じ。
サンプルBの方がメーカーの意図した音質と思われますが、こちらはLightningのものに近い鳴りで、こもるような感じもなくバランスよくスッキリと聴かせます。

サンプルA:初期ロットiPhone5 or S?付属品

サンプルB:新たに入手したiPhone7付属の未使用品


Apple In-Ear Headphones with Remote and Mic

旧Appleデバイス向けの純正アップグレードカナル型イヤホン。
かなりフラットな鳴りで耳に優しい素直な出音が心地よい。当初は素直に良い音と感じたが、しかしそれでも高域の量感や伸びに物足りなさは拭えず。

Apple In-Ear Headphones with Remote and Mic 周波数特性

audio-technica ATH-CK50

一昔前に買った安物イヤホン。
非常に耳に痛く刺さるシャカシャカな出音でかなり不快。
audio-technica ATH-CK50 周波数特性

Roland CS-10EM

バイノーラルマイク付きイヤホン。
あくまでマイクがメインなのかも知れないが、低音盛りのモタついた出音で高音も伸びがない。

CS-10EM Frequency Response
Roland CS-10EM 周波数特性


【Bluetoothタイプ】

i7S

製造メーカーもよくわからないAirPodsのパチモンで、数字違いの改良進化版が続々登場しているが、初代のこれはなぜか一回り巨大。
出音は旧EarPodsに類似した感じで良いというほどではないが悪くもない。
i7S 周波数特性

Anker Zolo Liberty

やや大きめな補聴器形状のモデル。評判通り確かに印象の良い音ではあるが、高域ピークが目立ちシャリ付きがちで、さらに上の超高域がさっぱり伸びないのが残念。
Anker Zolo Liberty 周波数特性


【Lightningタイプ】

Apple EarPods with Lightning Connector

現Appleデバイス標準イヤホン。iPhoneXS付属品。
旧EarPodsに比べバランスがかなり改善され、癖っぽさのない素直な出音はそのままに高域まで通るスッキリとした実に良質な出音に仕上がっている。
欲を言えば高域にもう一盛り欲しいが、イヤホンとしては十分に高いトータル性能。安全な常用を考えても、何かと指摘の多いカナル型でないことがむしろ◎。

Apple EarPods with Lightning Connector 周波数特性


Scenes Lifelike Don't Panic! (SS-101)

Appleデバイス向けのバイノーラルマイク付きイヤホン。別売りのPCアダプターを介すことでパソコンでもステレオマイク(イヤホンは機能せず)の利用が可能。
線の細い鳴りで中高域が強め。だがRolandのものよりは断然マシな音。

Scenes Lifelike Don't Panic! (SS-101) 周波数特性


以上です。


最後に、カナル型イヤホンのイヤーチップ (イヤーピース)について少し。

昨今評判の低反発ウレタンチップを使用してみたことがありますが、それまでしっかり適正なシリコンチップを使用できていたということなのでしょう、特に音質改善が得られることもなく、むしろわざわざ手で潰さなければならない一手間が鬱陶しいと感じ、あっけなくボツとなりました。
ついでに言えば、表面に粘着性があるので確かに留まりは良いですが、反面非常に汚れやすいのが嫌なところで、潔癖でなくとも他人に貸すのは躊躇してしまいます。。こうした事情もあってか3ヶ月程度で交換せよとのメーカー推奨ですが、シリコン製の数倍高額なのに、それも頻繁に交換とはバカバカし過ぎます。

しっかり耳に合ったチップを使用してさえいれば正常な音は得られますし、それがそのイヤホンにとっての最良の音質です。素材を変えたところで音質改善が見込めるものではありませんので、その辺はくれぐれも勘違いされないように。

2019年4月19日金曜日

Sennheiser HD 380 Pro

ゼンハイザー HD 380 Pro (2009年発売)




構造:密閉ダイナミック型
ドライバー:非公開
インピーダンス:54Ω
最大入力:非公開
再生周波数帯域:8〜27,000Hz
出力感度:110dB
重量:約235g (コード含まず)
販売価格:約15,000円〜

HD 380 Pro Frequency Response
HD 380 Pro 周波数特性(旧ダミーヘッド)


寸評:
超低域の深い鳴りが特徴的だが、キレの良い低音のためモタつきもなくさほど過多に感じさせない。中域は非常にナチュラル。高域に派手さはなく優しい鳴りのため、全体像は案外大人しめな印象。
幅広な折りたたみ構造のデザインはアンバランスでいささか不細工。
非常に強烈な側圧で圧迫感が大きいが、大型イヤーパッドでホールド領域が大きいため圧が広範囲に分散するためか思ったほどには疲れが出にくい。
見た目に分からないが、本体側がL型で横向きに差し込む特殊形状の着脱式ケーブル。付属は最大長3mのカールコードのみで重さがやはり気になる。

Superlux HD672

スーパーラックス HD672 (2018年発売)




構造:セミオープンエアー型
ドライバー:50mm
インピーダンス:32Ω
最大入力:非公開
再生周波数帯域:20〜20,000Hz
出力感度:95dB
重量:約267g(コード含む)
販売価格:約5,000円〜
frequency response
HD672 周波数特性(平面計測)

HD672 Frequency Response
HD672 周波数特性(旧ダミーヘッド)


寸評:
弱ドンシャリ傾向も中抜け感は薄くバランスは良好。若干高域ピークが目立つ感じだが、キレ良く深みのある低域から伸びやかな超高域まで明瞭で且つ透明感のある鳴り。遮音性は乏しいがセミオープンらしいワイドな音場感も相まってスッキリと心地良く聴かせてくれる。
側圧は平均的でヘッドバンドの押し付けもソフトなので装着感は悪くないが、ラジアルタイヤのような模様の入った特殊なゴム質イヤーパッドの感触は流石にイマイチ。このパッドは内側からめくれる薄いゴム皮膜のドーナツチューブ形成構造で、装着感はかなり柔らかい。取り外して水洗いができるとの触れ込み。
ケーブルは直出し2.5m。
黒と白のカラーバリエーション。

STAYER Hi-Res STEREO HEADPHONE 2

ステイヤー Hi-Resステレオヘッドホン2 (2017年発売)




構造:密閉ダイナミック型
ドライバー:40mm
インピーダンス:16Ω
最大入力:40mW
再生周波数帯域:5〜40,000Hz
出力感度:98dB
重量:約235g (コード含まず)
販売価格:約5,000円?〜
frequency response
Hi-Res ステレオヘッドホン2 周波数特性(平面計測)

Hi-Res STEREO HP2 Frequency Response
Hi-Res ステレオヘッドホン2 周波数特性(旧ダミーヘッド)


寸評:
VINON P901のオリジナル?と思しきRIGEL(リゲル)のクローン製品の一つであるSTAYER Hi-Resステレオヘッドホンの後継機で、基本仕様はそのままに楕円形のイヤーホールド構造としたいわば改良版。おそらくLEPLUS「極の音域 Hi-Res」シリーズのBETELGEUSE(ベテルギウス)と同型機と思われる。

出音は低域の量がやや多めだが、濁りなくクリアーに鳴らす。加えて再生レンジの広さも非常に素晴らしく、超低域から超高域までゆったりとのびのびとソースの隅々までしっかりと聴かせるハイポテンシャル機。
回転部の鳴きはあるが安っぽさのない丈夫な構造。ヘッドバンドは前作を踏襲しているため側圧はやや強めの方だが、イヤーパッドが耳を完全に覆う形となり窮屈さはない。
ケーブルは着脱式で、ごく一般的な3.5mmミニプラグステレオ仕様。1.2m布巻きケーブルが付属。
シルバーとブラックのカラーバリエーション。


※すでに販売終了しているが、左右極性反転の不具合のある未開封在庫品が出回っている。入手の際は修理前提と踏まえよう。

FOSTEX TH-7B

FOSTEX TH-7B (2010年発売)




構造:セミオープンエアー型
ドライバー:40mm
インピーダンス:70Ω
最大入力:100mW
再生周波数帯域:20〜20,000Hz
出力感度:98dB
重量:約260g
販売価格:約6,500円〜
frequency response
TH-7B 周波数特性(平面計測)

TH-7B Frequency Response
TH-7B 周波数特性(旧ダミーヘッド)


寸評:
中域から高域はスッキリとキレイに鳴らしているのだが、低域の盛りが多いためベースの強いソースでは中低域付近までしつこくまとわりつきがちで、明瞭感が削がれてしまうのが勿体無い。
側圧やイヤーパッドはソフトだが、径が小さく耳の収まりが悪いため耳への当たりは少々気になる。
1.2m両出しケーブルはねじれ癖が強くゴム状の表皮はごわつく。

ちなみにハウジング背面の四角形に配されたポートを塞ぐことで低音が抑えられ、適切なレベルに落ち着いて全体像がスッキリとする。後継のTH7が密閉型とされた理由はその辺にあるのではなかろうか。

2019年3月29日金曜日

MOMENTUM On-Ear VS CPH3000

スタイリッシュで高音質のコンパクト機として人気を博すMOMENTUM On-Earと、非常に安価ながらに高品位なサウンドと評判の高いCLASSIC PRO CPH3000。一見よく似た風貌で出音までもが似ているとの評判も販売価格には大きな差のある2機種ですが、どれほどの類似性あるいは違いがあるのか気になる人も多いようなので、比較しやすいようまとめてみます。

■周波数特性カーブの比較

まずは周波数特性グラフを並べてみます。

Frequency Response
MOMENTUM On-Ear 周波数特性

Frequency Response
CPH3000 周波数特性
いずれもほぼ同じ帯域と規模のくぼみのある二つ山型カーブを描いており、この全貌からも概ね似通った出音傾向であろうことはお察しいただけるでしょう。ただ細かく見れば超高域、超低域の両端の減衰量に違いが見て取れますし、また中高域付近に見られるアップダウンの流れも異なることから、音域のワイド感や明瞭感などそれなりに違いがあろうことも窺えます。

■実音の比較

現物の音を聴かせるわけにはいきませんが、こちらのサウンドサンプルからも十分に違いが感じていただけますので、とりあえず聴き比べてみてください。






まず一聴して低音の出方の違いに気付くのではないでしょうか。MOMENTUM OEは深いところまでたっぷりと鳴らしてきますが、これに比べてCPH3000は超低域が薄めなため少し軽い音に感じられます。
全体像としてはCPH3000の方が中域密度の高い音で明るい印象で鳴らしますが、この辺は中高域の処理の違いや低音バランスの影響でしょう。金物の鳴りに耳を傾ければ高域の伸びや響きの違いにも気づくと思いますが、そうした点を比べてみると音域の広さ、表現力の豊かさ共にやはりMOMENTUM OEに分がある印象ではあります。

ちなみに実機比較の所感としては、通常使用で何気に聞き流せばさほど大きな違いは感じられず、特に低音はサンプルほど明確な差を感じません、しかし中高域の鳴らし方や高域の伸びの違いは殊の外明確で、MOMENTUM OEは超高域までしっかりと且つスッキリと鳴らしてきますが、CPH3000はやはり特性グラフの示す通りで超高域の伸びが乏しく、いささか再生レンジの狭さが否めないというのが正直な感想です。
ただ先にも述べたように、聞き耳を立てなければさほど気になるほどの違いはないということを今一度付け加えておきます。

■その他の比較

重量は約10gほどMOMENTUM OEが軽いですが、いずれも小型軽量なので気にするまでもないでしょうか。
装着感はいずれも側圧により挟んで留まっている感じで、圧迫感、耳への負荷は強めなため掛け心地はお世辞にも良好とは言えません。
いずれもベロアタイプのイヤーパッドが使われており、MOMENTUM OEの方が肉厚で内口径も小さめですが、柔軟性はCPH3000が少し柔らかく耳への当たりは優しめです。
ベロアなのでいずれも音漏れはそれなりにありますが、MOMENTUM OEは抜きの大きい構造によりセミオープン型かと疑うほど漏れが多いので、野外使用には注意が必要でしょう。

2019年3月6日水曜日

audio-technica ATH-MSR7

オーディオテクニカ ATH-MSR7 (2014年発売)




構造:密閉ダイナミック型
ドライバー:45mm
インピーダンス:35Ω
最大入力:2,000mW
再生周波数帯域:5〜40,000Hz
出力感度:100dB
重量:約290g (コード含まず)
販売価格:約15,000円〜
frequency response
ATH-MSR7 周波数特性(平面計測)

ATH-MSR7 Frequency Response
ATH-MSR7 周波数特性(旧ダミーヘッド)


寸評:
高域はピークが強めで若干刺さりがちだが、低音は深くまでワイドに聴かせ、また中域の密度も過不足なく確かな存在感を示す。音場は若干深めに演出するが、明瞭で且つ芯のしっかりとした出音を醸す。
作りはなかなかしっかりとしているが、メタルハウジングも相まって少々重量感がある。若干キシミの出る部位もあるものの、装着してしまえばキシむことはない。
強烈な側圧が玉に瑕。
ケーブルは3.5mmミニプラグの片出し着脱式で、3mが一本、1.2mがマイク有無の2本付属。市販ケーブルで代用可能。

marantz PROFESSIONAL MPH-2

マランツプロ MPH-2 (2016年発売)




構造:密閉ダイナミック型
ドライバー:50mm
インピーダンス:32Ω
最大入力:非公開
再生周波数帯域:10〜30,000Hz
出力感度:100dB
重量:約305g (コード含まず)
販売価格:約6,000円〜

MPH-2 Frequency Response
MPH-2 周波数特性(旧ダミーヘッド)


寸評:
大きく盛られた低音荷重の強いドンシャリだが、高域が刺さることもなくシャリ付きも軽微。モニターとしては少々癖が強いが、キレのあるベースはしつこくなく、意外にスッキリとした印象で聴かせる。
キャラ的にはSONY MDR-1Aによく似た出音だが、そのハイレゾ機よりも可聴超高音までより伸びやかに鳴らせている点で優秀。また音漏れの少なさも断然優る。
少し重量感があるが、折りたたみ構造はオーテク上位モニタータイプの流用と思われ、一部可動部の鳴きは見れるものの作りがしっかりとしている。
側圧は強めだが、分厚いイヤーパッドは非常に柔軟で大きく沈み込むため、側圧を分散して馴染みも良い。
3.5mmプラグ仕様のスクリュー固定機構付き着脱コネクターも他に見掛けない仕様。
クローン製品らしきものがいくつか存在するが、関連性は不明。

iSK HD9999

iSK HD9999 (2014年発売)




構造:密閉ダイナミック型
ドライバー:50mm
インピーダンス:32Ω
最大入力:1,500mW
再生周波数帯域:8〜30,000Hz
出力感度:96dB
重量:非公開(実測約300g)
販売価格:約8,000円〜
frequency response
HD9999 (出荷時パッド) 周波数特性(平面計測)

HD9999 Frequency Response
HD9999 (出荷時パッド) 周波数特性(旧ダミーヘッド)

HD9999 Frequency Response
HD9999 (付属パッド) 周波数特性(旧ダミーヘッド)


寸評:
イヤーパッドが2種付属するが、デフォルトの分厚いパッド仕様のサンプル音を掲載する。
刺さりがちな高音とリッチに盛られた低域の目立つ典型的なドンシャリ。
深みのあるベースは量が多めで少し耳につくが、タイトな盛られ方のためもたつきは少ない。中央の薄いバランスだが不足感は薄く自然な鳴りで、聴き心地は割とスッキリとしている。
柔軟性に富んだイヤーパッドのおかげか装着感はなかなか良好。遮音性は標準的。
ケーブル仕様はAKG製品同様のミニキャノンタイプで、ストレート、カールの2種が付属。贅沢なセミハードケースも付く。

なお、もう一方の薄めで丸みを帯びたイヤーパッドでは低域の出方が薄まり、やや線が細めだがフラット傾向の出音となる。買ったその場で必要に応じた使い分けが可能なのは非常にありがたい。

SoundPEATS A2

サウンドピーツ A2 (2018年発売)




構造:密閉ダイナミック型
ドライバー:40mm
インピーダンス:32Ω
最大入力:非公開
再生周波数帯域:20〜20,000Hz (Bluetooth時)
出力感度:非公開
重量:190g
販売価格:約4,000円〜
Bluetooth規格:4.1
対応コーデック:SBC
連続再生時間:約20時間

A2 周波数特性 [ワイヤード](旧ダミーヘッド)

A2 周波数特性 [ワイヤレス](旧ダミーヘッド)


寸評:
極端な低域荷重バランス。硬めな低音で深みはないが過度な量で全体像が澱みがち。
フォローすれば、低音山はタイトなためもたつきは軽微で、またやや細身な中央域から高域にかけては伸びやかに鳴らせているので、ベースの薄い楽曲ならばそこそこには聴ける。
ワイヤレスでBASS BOOST機能を備えるが、デフォルトでもブースト状態だけに...。