2019年3月29日金曜日

MOMENTUM On-Ear VS CPH3000

スタイリッシュで高音質のコンパクト機として人気を博すMOMENTUM On-Earと、非常に安価ながらに高品位なサウンドと評判の高いCLASSIC PRO CPH3000。一見よく似た風貌で出音までもが似ているとの評判も販売価格には大きな差のある2機種ですが、どれほどの類似性あるいは違いがあるのか気になる人も多いようなので、比較しやすいようまとめてみます。

■周波数特性カーブの比較

まずは周波数特性グラフを並べてみます。

Frequency Response
MOMENTUM On-Ear 周波数特性

Frequency Response
CPH3000 周波数特性
いずれもほぼ同じ帯域と規模のくぼみのある二つ山型カーブを描いており、この全貌からも概ね似通った出音傾向であろうことはお察しいただけるでしょう。ただ細かく見れば超高域、超低域の両端の減衰量に違いが見て取れますし、また中高域付近に見られるアップダウンの流れも異なることから、音域のワイド感や明瞭感などそれなりに違いがあろうことも窺えます。

■実音の比較

現物の音を聴かせるわけにはいきませんが、こちらのサウンドサンプルからも十分に違いが感じていただけますので、とりあえず聴き比べてみてください。






まず一聴して低音の出方の違いに気付くのではないでしょうか。MOMENTUM OEは深いところまでたっぷりと鳴らしてきますが、これに比べてCPH3000は超低域が薄めなため少し軽い音に感じられます。
全体像としてはCPH3000の方が中域密度の高い音で明るい印象で鳴らしますが、この辺は中高域の処理の違いや低音バランスの影響でしょう。金物の鳴りに耳を傾ければ高域の伸びや響きの違いにも気づくと思いますが、そうした点を比べてみると音域の広さ、表現力の豊かさ共にやはりMOMENTUM OEに分がある印象ではあります。

ちなみに実機比較の所感としては、通常使用で何気に聞き流せばさほど大きな違いは感じられず、特に低音はサンプルほど明確な差を感じません、しかし中高域の鳴らし方や高域の伸びの違いは殊の外明確で、MOMENTUM OEは超高域までしっかりと且つスッキリと鳴らしてきますが、CPH3000はやはり特性グラフの示す通りで超高域の伸びが乏しく、いささか再生レンジの狭さが否めないというのが正直な感想です。
ただ先にも述べたように、聞き耳を立てなければさほど気になるほどの違いはないということを今一度付け加えておきます。

■その他の比較

重量は約10gほどMOMENTUM OEが軽いですが、いずれも小型軽量なので気にするまでもないでしょうか。
装着感はいずれも側圧により挟んで留まっている感じで、圧迫感、耳への負荷は強めなため掛け心地はお世辞にも良好とは言えません。
いずれもベロアタイプのイヤーパッドが使われており、MOMENTUM OEの方が肉厚で内口径も小さめですが、柔軟性はCPH3000が少し柔らかく耳への当たりは優しめです。
ベロアなのでいずれも音漏れはそれなりにありますが、MOMENTUM OEは抜きの大きい構造によりセミオープン型かと疑うほど漏れが多いので、野外使用には注意が必要でしょう。

0 件のコメント:

コメントを投稿