2023年12月14日木曜日

audio-technica ATH-HL7BT

オーディオテクニカ ATH-HL7BT (2021年発売)



構造:オープンエアー型
ドライバー:53mm
インピーダンス:48Ω
最大入力:非公開
再生周波数帯域:5〜40,000Hz
出力感度:100dB
重量:220g (コード含まず)
販売価格:約15,000円〜
Bluetooth規格:5.0
対応コーデック:LDAC、SBC、AAC
連続再生時間:約20時間

Frequency Response
ATH-HL7BT 周波数特性(平面計測)


寸評:
中低域に勢いがあり高域もしっかりと出せているが、中高域の美味しい部分が押さえ込まれすぎて何ともツヤ感のないサウンド。
装着性は良くも悪くも非常に軽い。ヘッドアームの締め付けが弱々しいため、頭を振ると容易に外れてしまう。

野外使用は考えづらい開放型でありながらワイヤレスという異色の逸品。屋内でも自由に振る舞えるという面白い提案だが、スピーカーで鳴らせば済むと思えるシーンが多く実用のシチュエーションは限定的。

2023年11月6日月曜日

AKG K270 Studio

アーカーゲー K270スタジオ (1989年発売)


構造:密閉ダイナミック型
ドライバー:32mm+32mm
インピーダンス:75Ω
最大入力:非公開
再生周波数帯域:20〜28,000Hz
出力感度:92dB
重量:270g (コード含まず)
販売価格:-

K270 Frequency Response
K270 Studio 周波数特性(平面計測)


寸評:
各チャンネル上下に同じ2つのドライバーが配された特殊構造のヘッドフォンとして知られるが、これによる特別な効果、効能を認めるのは困難。
出音は低域にパンチがなく、ナローなレンジ感からも古を感じざるを得ない。高域はそれなりだがヴォーカル域がやや引っ込みがちで全体的に密度の薄い鳴らし方。また能率もかなり低いのでアンプのパワーが必要。

このStudioと付くモデルは、ヘッドバンドの伸縮に連動したミュートスイッチを持つ。

2023年10月22日日曜日

SHURE SRH1540

シュアー SRH1540 (2013年発売)


構造:密閉ダイナミック型
ドライバー:40mm
インピーダンス:46Ω
最大入力:1,000mW
再生周波数帯域:5〜25,000Hz
出力感度:99dB
重量:286g (コード含まず)
販売価格:約55,000円〜

SRH1540 Frequency Response
SRH1540 周波数特性(平面計測)


寸評:
中〜高域に至っては派手さのない概ねニュートラルな鳴らし方だが、ドスンとタイトに響く低域がいささか目立つ。高域が大人しめなせいもあってか、密閉型が故という以上に音場に幅がなく迫った聴かせ方をする。
ケーブルは入力プラグ側が太めの丸線で癖が強く、分岐部分が大きくゴツい。
珍しいアルカンターラ素材のイヤーパッドで高級感があるが、側圧も適度で装着性は良い。
SRH1840同様に加水分解により傷みやすい合皮の固定ヘッドパッドがやはり残念。

2023年9月20日水曜日

YAMAHA HPH-MT8

ヤマハ HPH-MT8 (2016年発売)


構造:密閉ダイナミック型
ドライバー:45mm CCAW
インピーダンス:37Ω
最大入力:1,600mW
再生周波数帯域:15〜28,000Hz
感度:102dB
重量:350g (コード含む)
市場価格:約24,000円〜

HPH-MT8 Frequency Response
HPH-MT8 周波数特性(平面計測)


寸評:
先代MT220を概ね踏襲したスペックではあるが、出音はややウォームな方向にチューニングされた印象。しかし高域はシャリつき気味だが伸びやかに鳴らす。また低音のパンチはそれなりに効くが深み、厚みのないタイトな鳴らし方。
装着感は適度な側圧でソフトだが、先代より大分軽量化されたもののそれでも重めの類。

2023年6月1日木曜日

Sennheiser HD 660S2

ゼンハイザー HD 660S2 (2023年発売)


構造:オープンエアー型
ドライバー:38mm
インピーダンス:300Ω
最大入力:非公開
再生周波数帯域:8〜41,500Hz
出力感度:104dB
重量:260g (コード含まず)
販売価格:約90,000円〜

HD 660S2 Frequency Response
HD 660S2 周波数特性(平面計測)


寸評:
名機HD 600の系譜四代目とされるが、後継というよりも現役直系(HD 600、650)との棲み分けを図ったモデルか。
先代660Sは中高域不足のような印象で敬遠したが、サウンド傾向は受け継ぎつつもいくらか明瞭化が図られた印象。HD 600等に比べて低域レンジにゆとりが増しているが、中高〜高域が抑えられ、やや退き気味で薄らとスモーキーな聴かせ方をする。

2019更新後のHD 600系ファミリーで構造パーツが共有されており、装着性はそれらと全く同様にタイト。
バランスケーブルも付属する。

SONY MDR-MV1

ソニー MDR-MV1 (2023年発売)



構造:オープンエアー型
ドライバー:40mm
インピーダンス:24Ω
最大入力:1,500mW
再生周波数帯域:8〜80,000Hz
出力感度:100dB/mW
重量:約223g (コード含まず)
販売価格:約53,000円〜

MDR-MV1 Frequency Response
MDR-MV1 周波数特性(平面計測)


寸評:
高い音域が落ち込んだドンシャリ。開放型らしからぬ深く荷重のある低音が際立つが、その一方で中高域が薄く、さらに高域の強いピークが立つことで独特な奥行きと詰まったような抜けの悪さを醸す。こうした特性故か何か音場が閉鎖的で開放型らしい幅や透明感に乏しい。
CD900STへのリスペクトの感じられるチューニングだが、圧倒的なワイドレンジと、中高音域の処理も薄くならずより自然な全体像が得られる点では明確な格差を突き付ける。
非力なアンプでも十二分に大音量で楽しめる高能率機。ただモバイル需要の見込めない開放型だが...

ヘッドアームと着脱式ケーブルはM1STの流用で、3.5mmへの変換プラグが付属。
イヤーパッドは肉厚だが非常にソフト。スエード調人工皮革(フロック)は経年劣化が進むと剥がれの懸念はあるが、肌触りも良く装着性は文句なし。

2023年5月19日金曜日

SHURE SRH1440

シュアー SRH1440 (2012年発売)


構造:オープンエアー型
ドライバー:40mm
インピーダンス:37Ω
最大入力:1,000mW
再生周波数帯域:15〜27,000Hz
出力感度:101dB
重量:343g (コード含まず)
販売価格:約30,000円〜

SRH1440 frequency response
SRH1440 周波数特性(平面計測)


寸評:
少々ハイバイアス傾向だが、明瞭でシャープなサウンドを聴かせる。
兄貴分のSRH1840に似た毛色で整った特性のサウンドだが、より明るく元気なサウンドを望むならこちらがオススメ。
重量級のボディとやや下開き気味な装着感がもう一つと言ったところ。

2023年5月15日月曜日

AKG K553 MKII

アーカーゲー K553 MKII (2019年発売)



構造:密閉ダイナミック型
ドライバー:50mm
インピーダンス:32Ω
最大入力:200mW
再生周波数帯域:12〜28,000Hz
出力感度:109dB (114dB)
重量:305g
販売価格:約23,000円〜

K553 MKII Frequency Respon¥se
K553 MKII 周波数特性(平面計測)



寸評:
源流(K550系)との明確な違いが曖昧な疑惑のK553リケーブルバージョン。
このシリーズは音響面でのアップデート情報なく派生しているが、事実、サウンド面に関して手元のK550 MKIIと比較しても指摘できるような違いが感じられず、個体差、状態差の範疇で同一機とも判断できるほど類似している。
なお、出力感度は114dB SPL/Vが正しいようで、公称スペック値全てにおいてK550より一貫している。

2023年5月14日日曜日

audio-technica ATH-M70x

オーディオテクニカ ATH-M70x (2015年発売)



構造:密閉ダイナミック型
ドライバー:45mmCCAW
インピーダンス:35Ω
最大入力:2,000mW
再生周波数帯域:5〜40,000Hz
出力感度:97dB
重量:280g (コード含まず)
販売価格:約30,000円〜

ATH-M70x frequency response
ATH-M70x 周波数特性(平面計測)


寸評:
Mシリーズのフラッグシップ。常用モニターとして世界的人気のM50xとはかなりカラーの異なる、ド派手なハイトーンで高音域の粗を浮き彫りにするピンポイントチェックモニター。
中域以下はニュートラルバランスで歯切れが良く、超低域まで深いレンジ感も素晴らしいのだが、強烈な高音域ブーストによりシャリ付き、刺々しさが際立つあまり全体像を細身に映す。
ソフトなパッドと適度な側圧で装着性は良い。

2023年5月13日土曜日

beyerdynamic DT 240 PRO

ベイヤーダイナミック DT 240 PRO (2017年発売)



構造:密閉ダイナミック型
ドライバー:非公開
インピーダンス:34Ω
最大入力:非公開
再生周波数帯域:5〜35,000Hz
出力感度:99dB
重量:196g (コード含まず)
販売価格:約10,000円〜

frequency response
DT 240 PRO 周波数特性(平面計測)


寸評:
低域レンジが深くパンチの効いたローバイアス気味なドンシャリサウンド。中高域のディップが大きいため少しツヤ感薄く映るが、不快なバランスでもない。ただベイヤーらしい解像感の高いシャープなサウンドとは異なるテイスト。
デザイン面もベイヤー感がないが、軽量コンパクトながら歪みのないしっかりとしたヘッドアーム。ただし左右が分かりにくい。
着脱式片出しケーブルは左右どちらにも接続できる。細めのコイルケーブルで、近接で使う分にはあまり邪魔にならないが、伸ばすには張りが強い。
締め付けがややタイトで小径のイヤーパッドも窮屈だがクッションは良い。

2023年5月12日金曜日

GRADO SR80x

グラード SR80x (2021年発売)



構造:オープンエアー型
ドライバー:44mm
インピーダンス:38Ω
最大入力:非公開
再生周波数帯域:20〜20,000Hz
出力感度:99.8dB
重量:180g (コード含まず)
販売価格:約16,000円〜

frequency response
SR80x 周波数特性(平面計測)


寸評:
古典的な構造の開放型オンイヤーヘッドフォン。
ツヤのあるハイバイアス傾向の出音だが、歌ものならヴォーカルが明瞭にフォーカスされる印象。低域も決して薄くはなくしっかりとパンチを効かせる。
軽量コンパクトで造りは簡素だが、ヘッドバンドの厚めのクッションがちょっとした贅沢。
イヤーパッドはシンプルな軟質ウレタン(いわゆるスポンジ)切り出しものだが、温暖な環境下では体温が移って熱を帯びやすくかなり不快なので、薄いカバーを被せてクーリングを図ると良い。
側圧はさほど強くはないものの耳への圧迫や感触、熱籠りが気になり、長時間使用はやはりきつい。
直出しの両出し布巻きケーブルは太めで硬くゴツい。作業に十分な1.7m。

2023年5月9日火曜日

AKG K275

アーカーゲー K275 (2019年発売)



構造:密閉ダイナミック型
ドライバー:50mm
インピーダンス:32Ω
最大入力:非公開
再生周波数帯域:16〜28,000Hz
出力感度:94dB
重量:284g(コード含まず)
販売価格:約8,000円〜

K275 frequency response
K275 周波数特性(平面計測)


寸評:
中低域に密度の偏り気味な若干ウォームな鳴らし方。K245に比べると周波数レンジの狭さが窺え、スッキリさに欠け解像の緩い音に映る。
取り回しの面は開放構造の姉妹機K245を参照。

2023年4月12日水曜日

Sennheiser HD 650

ゼンハイザー HD 650 (2003年発売)


構造:オープンエアー型
ドライバー:42mm(D径38mm)
インピーダンス:300Ω
最大入力:非公開
再生周波数帯域:10〜41,000Hz
出力感度:103dB
重量:260g (コード含まず)
販売価格:約45,000円〜

frequency response
HD 650 周波数特性(平面計測)

frequency response (damage)
HD 650 [弱ダメージパッド] 周波数特性(平面計測)

寸評:
HD 600の後継に当たるこれまた今なお継続販売中のロングセラー機だが、先代のニュートラルな特性を色濃く受け継ぎながらも若干重心を下げたサウンドに調整されている。

ボディ構造も先代を継承するが、付属ケーブルは左右の色分けのない幅太なものとなり、コネクタも少し長く突き出す形になった。
2019年のファミリー同時マイナーチェンジにより側圧がタイトになっている。

2023年4月11日火曜日

AKG K712 PRO

アーカーゲー K712プロ (2013年発売)




構造:オープンエアー型
ドライバー:非公開
インピーダンス:62Ω
最大入力:200mW
再生周波数帯域:10〜39,800Hz
出力感度:93dB
重量:298g (コード含まず)
販売価格:約28,000円〜

frequency response
K712 PRO 周波数特性(平面計測)

寸評:
基本的にはK702などと毛色の似た音を醸すが、中〜低音に厚みを持たせたチューニングとなっている上位機。ただ明らかに下位機とは異なった聴かせ方で、主役が立つ中高域のメリハリの良さがある一方でやや閉鎖的で迫ったような音場感を醸す。

イヤーパッドは低反発フォームで音が抜けにくい仕様。下位機のイヤーパッドでは音抜けが大きく細身な音になってしまうので代用が効かない。

Sennheiser HD 200 PRO

ゼンハイザー HD 200 PRO (2021年発売)


構造:密閉ダイナミック型
ドライバー:非公開
インピーダンス:32Ω
最大入力:非公開
再生周波数帯域:20〜20,000Hz
出力感度:108dB
重量:184g (コード含まず)
販売価格:約8,000円〜

frequency response
HD 200 PRO 周波数特性(平面計測)


寸評:
ブーミーな低音がしつこいローバイアスなサウンドが真っ先に耳に付くが、しかし意外と素性は良いようで、過多な200Hz以下を押さえ込むとシャープな中〜高域が好バランスで露わになる。EQありきでの使用を強く推奨したい。
かなりチープな造りだが、コンパクトで軽い。

Sennheiser HD 600

ゼンハイザー HD 600 (1997年発売)


構造:オープンエアー型
ドライバー:非公開
インピーダンス:300Ω
最大入力:非公開
再生周波数帯域:12〜40,500Hz
出力感度:97dB
重量:260g (コード含まず)
販売価格:約30,000円〜

frequency response
HD 600 周波数特性(平面計測)

寸評:
登場から四半世紀を経た現在もなお継続販売中の歴史的な名機だが、所以はもちろん世界中の現場で定評を博す模範的なニュートラルサウンドにある。スッキリと伸びやかでありながら鋭さのない高音域の耳馴染みの良さは秀逸で、聴き疲れしないナチュラルなサウンドを奏でる。
一長一短ある両出しケーブルは接触ノイズ軽減のため軟質で細めとなっており、また小コネクタで首を振っても邪魔にならない点も良い。

2019年のファミリー3機種リニューアルでボディ仕様が変更されているが、基本スペックに変更はない(としている?)。しかし締め付けがタイトに変貌している。

SHURE SRH1840

シュアー SRH1840 (2012年発売)



構造:オープンエアー型
ドライバー:40mm
インピーダンス:65Ω
最大入力:1,000mW
再生周波数帯域:10〜30,000Hz
出力感度:96dB
重量:268g (コード含まず)
販売価格:約55,000円〜

frequency response
SRH1840 周波数特性(平面計測)


寸評:
平滑性の高いニュートラルな特性が際立つ逸材だが、ややハイバイアス気味に鳴らす。高音域はスッキリとしながらもエッジが立たず落ち着いており、全体像は案外ウォームな鳴らし方でもある。
装着性は非常に快適で、ソフトな側圧でホールド性も良いので、長時間の使用も苦にならない。

高額機種の部類だが、ケースや交換パッドなど贅沢なオプション装備分の上乗せもある。
両出しケーブルはMMCXコネクタ。特に高品質なわけでなく標準的な太めなもので、接触ノイズの対策もない。
ヘッドアームのクッションが傷みやすく交換できないのが辛い。

audio-technica ATH-R70x

オーディオテクニカ ATH-R70x (2015年発売)



構造:オープンエアー型
ドライバー:45mm
インピーダンス:470Ω
最大入力:1,000mW
再生周波数帯域:5〜40,000Hz
出力感度:98dB
重量:210g (コード含まず)
販売価格:約35,000円〜

frequency response
ATH-R70x 周波数特性(平面計測)


寸評:
世界水準のニュートラル性能を誇れる希少な国産機。標準的なレンジ感だがしっかりと低音の立つ鳴らし方で不足感はなく、高音域も艶やかながらに鋭さのない澄んだ空気感を醸す。
コンパクト機並みの軽量ボディも特筆もので、イヤーパッドはADシリーズのように大きくはないが、軽く優しい装着性でストレスが極めて少ない。

両出しの着脱ケーブルは電源コードのようでやや嵩張るが、二股の本体側は左右の区別がなくどちらに挿しても正しくつながる。ただそもそもボディの左右がわかりにくい。

2023年4月10日月曜日

beyerdynamic DT 1990 PRO

ベイヤーダイナミック DT 1990 PRO (2016年発売)



構造:オープンエアー型
ドライバー:45mm
インピーダンス:250Ω
最大入力:200mW
再生周波数帯域:5〜40,000Hz
出力感度:102dBSPL
重量:370g (コード含まず)
販売価格:約60,000円〜

frequency response
DT 1990 PRO 周波数特性(平面計測)



寸評:
ロングセラーDT 990シリーズ直系フラッグシップという位置付けだが、現場向けとしてはいささか贅沢な要素が多い。
デフォルトで装着されているバランスサウンドタイプと、別途アナリティカルサウンドタイプ(分析用)の二種類のイヤーパッドが付属するが、ここではバランスタイプ使用データを掲載。分析用では細身なサウンドに変貌する。

低域からレンジが広くハイの効く出音だが、中低域がゆったりとまとめられて豊かなサウンドを醸す。
メタル主体のボディは重量があり、側圧も強めで装着疲れが気になる。
イヤーパッドは旧来機とあまり変わりがないが価格は倍増。またリッチなヘッドパッドは傷んでしまっても交換が効かない。

2023年2月26日日曜日

beyerdynamic DT 700 PRO X

ベイヤーダイナミック DT 700 Pro X (2021年発売)



構造:密閉ダイナミック型
ドライバー:STELLAR.45
インピーダンス:48Ω
最大入力:30mW(連続)
再生周波数帯域:5〜40,000Hz
出力感度:100dB
重量:350g
販売価格:約36,000円〜


frequency response
DT 700 PRO X 周波数特性(平面計測)

DT 700 PRO X 周波数特性(旧ダミーヘッド)           


寸評:
開放型の姉妹機DT 900 PRO Xに比べると密閉型特有の演出の派手さが若干滲んだ、いい意味でのメリハリ感が出ているが、それでもかなり類似性の高い出音に落ち着いている。無論ニュートラル性の高い正確なサウンドを奏でる優良機に間違いはない。
その他の特徴は全く同様で、詳細は開放型のDT 900 PRO X参照。

beyerdynamic DT 900 PRO X

ベイヤーダイナミック DT 900 Pro X (2021年発売)



構造:オープンエアー型
ドライバー:STELLAR.45
インピーダンス:48Ω
最大入力:30mW(連続)
再生周波数帯域:5〜40,000Hz
出力感度:100dB
重量:345g
販売価格:約36,000円〜

frequency response
DT 900 PRO X 周波数特性(平面計測)

Frequency Response
DT 900 PRO X 周波数特性(旧ダミーヘッド)


寸評:
超低域からワイドに平滑なベイヤーらしいニュートラルなサウンド特性に一層磨きがかかり、原音バランスをほぼ崩すことのないピュアサウンドを堪能できる秀逸機。極端なターゲットカーブ依存のご時世、是非とも一度は耳にしてもらいたい。
従来シリーズは使用用途に適合させるべくインピーダンスバリエーションが乱立していたが、あえて48Ω仕様一本化としたのはむしろこのご時世、理にかなった方針。
イヤーパッドはソフトで当たりの良いものに進化しているが、やや強めな締め付け感とずっしりとした重厚感は流石に気になるポイント。また本機に限ったことではないが、肩に当たりがちな脱着ケーブルのプラグ部はやはり邪魔で、接続位置や角度の見直し、できればプラグの小型化も合わせて改善が望まれる。

なおベイヤー近年機種は一様に、付属の専用ケーブル入力側のステレオミニプラグおよび標準変換ブラグのスクリュー径が小さい特殊なものが使われているが、一般的な変換プラグでも代用は可能。

Sennheiser HD 560S

ゼンハイザー HD 560S (2021年発売)



構造:オープンエアー型
ドライバー:38mm
インピーダンス:120Ω
最大入力:非公開
再生周波数帯域:6〜38,000Hz
出力感度:110dB
重量:280g (コード含まず)
販売価格:約25,000円〜


frequency response
HD 560S 周波数特性(平面計測)

HD 560S 周波数特性(旧ダミーヘッド)

寸評:
HD 660Sの弟分ながらにそのポテンシャルは非常に高く、超低域からワイドなレンジ感に優れたニュートラル性の高いサウンドに加え、ツヤのある高域が心地よい空気感を醸す優良機。
ゼンハイザー特有のタイトな造りで側圧は少々きつめだが、ポジションがビタっと決まればさほど疲れにくい。
後に登場するスタジオ向けモニターHD 400 PROはケーブルなどパッケージを変更しただけの同一ボディ別称モデル。ゼンハイザーはなぜかこういう展開やらかしがち。

SHURE SRH440A

シュアー SRH440A (2022年発売)




構造:密閉ダイナミック型
ドライバー:40mm
インピーダンス:40Ω
最大入力:500mW
再生周波数帯域:10〜22,000Hz
出力感度:97dB
重量:270g (コード含まず)
販売価格:約12,000円〜



frequency response
SRH440A 周波数特性(平面計測)

Frequency Response
SRH440A 周波数特性(旧ダミーヘッド)

寸評:
兄貴分のSRH840Aと同様に、旧モデルより低域量がグッと増強され、こちらはド派手なドンシャリサウンドへと変貌。完全に脱モニター路線へ。。
ボディ構造についても兄貴分同様の大幅改良がなされている。

AKG K175

アーカーゲー K175 (2019年発売)



構造:密閉ダイナミック型
ドライバー:非公開
インピーダンス:32Ω
最大入力:非公開
再生周波数帯域:18〜26,000Hz
出力感度:99dB
重量:244g (コード含まず)
販売価格:約5,000円〜

K175 周波数特性(平面計測)


寸評:
超低重心の大味サウンドによりベースやキックドラムは盛大にでしゃばるが、高域の薄さによってヴォーカルの勢いは失われステージ後方へ?まぁそんな感じに鳴らすかなりの曲者。
持ち歩きに便利な小型で折りたたみ式のオンイヤータイプだが、結構重量感があるうえに締め付けが強く耳が疲れやすい。
硬質な付属ケーブルは接触ノイズが伝わってしまうが、肩に触れがちで邪魔な脱着プラグも相まって鬱陶しさが倍増。

KAWAI SH-9

カワイ SH-9 (2019年発売)



構造:オープンエアー型
ドライバー:40mm
インピーダンス:47Ω
最大入力:1,000mW
再生周波数帯域:20〜20,000Hz
出力感度:91.5dB
重量:約210g (コード含まず/実測)
販売価格:約14,000円〜

frequency response
SH-9 周波数特性(平面計測)

SH-9 周波数特性(旧ダミーヘッド)


寸評:
全体的にはなかなか素性のいいサウンドだが、ちょうど聴覚に触る中音域1.5kHz付近のピークが余計で刺激が強い。EQでその辺を若干削るだけで大分スッキリとする。
ハウジングは小径のオンイヤータイプで、やや強めに抑え付けられる感じなので長時間の使用では疲れやすいか。

Roland RH-A7

ローランド RH-A7 (2012年発売)



構造:オープンエアー型
ドライバー:40mm
インピーダンス:34Ω
最大入力:1,000mW
再生周波数帯域:10〜25,000Hz
出力感度:97dB
重量:200g
販売価格:約7,000円〜

frequency response
RH-A7 周波数特性(平面計測)

RH-A7 周波数特性(旧ダミーヘッド)

寸評:
ハイバイアス気味なバランスで低域の量感は少し薄く、また高音域はシャリ付き気味だが、全体像のスッキリとしたクセの少ない素直なサウンド。
側圧はソフトで装着感は軽いが、イヤーパッドが硬めで耳への当たりが気になる。
コストパフォーマンスが良く、小型で軽く小回りの効く即席ヘッドフォンにちょうど良い。



SoundWarrior SW-HP10s

サウンドウォーリア SW-HP10s (2009/2016年発売)



構造:密閉ダイナミック型
ドライバー:非公開
インピーダンス:40Ω
最大入力:300mW
再生周波数帯域:20〜20,000Hz
出力感度:103dB
重量:280g
販売価格:約11,000円〜


Frequency Response
SW-HP10s 周波数特性(平面計測)

寸評:
装着感は非常に軽く、特殊形状のイヤーパッドはしっかりと耳形状にフィットする。
中域の落ち込みのせいかやや細身に映る面はあるが、全体的に概ねニュートラルに鳴らすいい意味で無個性な優良機。正確性の必要なモニタリングに。

オリジナルとなるSW-HP10は2009年発売。価格とロゴプリントが変更されたのみで仕様的な変更は一切なし。

2023年2月25日土曜日

audio-technica ATH-M50xBT2

オーディオテクニカ ATH-M50xBT2 (2021年発売)




構造:密閉ダイナミック型
ドライバー:45mm
インピーダンス:38Ω
最大入力:
再生周波数帯域:15〜28,000Hz
感度:99dB
重量:307g
市場価格:約21,000円〜
Bluetooth規格:5.0
対応コーデック:LDAC、SBC、AAC
連続再生時間:約50時間

 
frequency response
ATH-M50xBT2 周波数特性 [ワイヤード](平面計測)

ATH-M50xBT2 周波数特性(旧ダミーヘッド)



寸評:
先代M50xBTでドンシャリ気味に出ていた特性は見直され、元来のM50xを踏襲したサウンドへと引き戻されている。
ワイヤレス機能も強化され、2つの機器と同時ペアリングが行える点は嬉しい。またモバイルアプリによるコントロールが可能で、映像コンテンツで便利な低遅延モードが使えるなどモバイル用途としての利便性はさらに向上している。
先代のタッチ式のヴォリューム操作は不評だったのか、一般的な物理ボタン操作式に変更されている。