2023年6月1日木曜日

Sennheiser HD 660S2

ゼンハイザー HD 660S2 (2023年発売)


構造:オープンエアー型
ドライバー:38mm
インピーダンス:300Ω
最大入力:非公開
再生周波数帯域:8〜41,500Hz
出力感度:104dB
重量:260g (コード含まず)
販売価格:約90,000円〜

HD 660S2 Frequency Response
HD 660S2 周波数特性(平面計測)


寸評:
名機HD 600の系譜四代目とされるが、後継というよりも現役直系(HD 600、650)との棲み分けを図ったモデルか。
先代660Sは中高域不足のような印象で敬遠したが、サウンド傾向は受け継ぎつつもいくらか明瞭化が図られた印象。HD 600等に比べて低域レンジにゆとりが増しているが、中高〜高域が抑えられ、やや退き気味で薄らとスモーキーな聴かせ方をする。

2019更新後のHD 600系ファミリーで構造パーツが共有されており、装着性はそれらと全く同様にタイト。
バランスケーブルも付属する。

SONY MDR-MV1

ソニー MDR-MV1 (2023年発売)



構造:オープンエアー型
ドライバー:40mm
インピーダンス:24Ω
最大入力:1,500mW
再生周波数帯域:8〜80,000Hz
出力感度:100dB/mW
重量:約223g (コード含まず)
販売価格:約53,000円〜

MDR-MV1 Frequency Response
MDR-MV1 周波数特性(平面計測)


寸評:
高い音域が落ち込んだドンシャリ。開放型らしからぬ深く荷重のある低音が際立つが、その一方で中高域が薄く、さらに高域の強いピークが立つことで独特な奥行きと詰まったような抜けの悪さを醸す。こうした特性故か何か音場が閉鎖的で開放型らしい幅や透明感に乏しい。
CD900STへのリスペクトの感じられるチューニングだが、圧倒的なワイドレンジと、中高音域の処理も薄くならずより自然な全体像が得られる点では明確な格差を突き付ける。
非力なアンプでも十二分に大音量で楽しめる高能率機。ただモバイル需要の見込めない開放型だが...

ヘッドアームと着脱式ケーブルはM1STの流用で、3.5mmへの変換プラグが付属。
イヤーパッドは肉厚だが非常にソフト。スエード調人工皮革(フロック)は経年劣化が進むと剥がれの懸念はあるが、肌触りも良く装着性は文句なし。