2025年8月2日土曜日

TAGO STUDIO T3-03

タゴスタジオ T3-03 (2022年発売)




構造:密閉ダイナミック型
ドライバー:40mm
インピーダンス:70Ω
最大入力:1,000mW
再生周波数帯域:20〜20,000Hz
出力感度:102dB
重量:約260g (コード含まず)
販売価格:24,600円(税込)

T3-03周波数特性(平面計測)


寸評:
「より近く、より鮮烈に」と謳うT3-01の弟分。
そんな出音は中高域が底となる弱ドンシャリ傾向で、少し奥行きのある音場を演出する。
T3-01が特化的にヴォーカル再生の正確性が光るもややナローなレンジ傾向に対し、こちらは再生レンジにゆとりのある鳴らし方で、主役は控えめとなるが、低域のパンチ、高域解像の部分では優れた面を見せる。

底の浅い合皮製イヤーパッドだが、当たりはソフトでホールドもしっかりとしており装着感は良好。
ケーブルのタッチノイズが少し目立つ。

2025年7月7日月曜日

Sennheiser HD 300 PRO

ゼンハイザー HD 300 プロ (2022年発売)



構造:密閉ダイナミック型
ドライバー:非公開
インピーダンス:64Ω
最大入力:500mW
再生周波数帯域:6〜25,000Hz
出力感度:108dB
重量:297g (コード含まず)
販売価格:約17,000円〜

Frequency Response
HD 300 PRO 周波数特性(平面計測)


寸評:
無用な演出のないナチュラルなサウンドを聴かせる、密閉型としては稀有な逸材。高音域の散在ディップによりエッジの甘さや主役が後退気味に映ってしまうのが惜しいが、ディープな低域レンジと全域通じてのニュートラルな特性、特に中高域までに至る平滑性は特筆に値。

ケーブルは作業に邪魔にならない1.55mストレート仕様で、独自のビス留め脱着式でメンテ交換が可能。根元部がコイル状でタッチノイズ対策が施されている。
締め付けがタイトで装着疲れが少々気になる。

2025年7月5日土曜日

AVIOT WA-V1-PNK ピッドホン3

アヴィオット WA-V1-PNK (2024年発売)

[電源オフ]

[ANC ON]


構造:密閉ダイナミック型
ドライバー:40mm
インピーダンス:非公開
最大入力:非公開
再生周波数帯域:非公開
出力感度:非公開
重量:約267g (コード含まず)
販売価格:約18,000円〜
Bluetooth規格:5.0
対応コーデック:SBC、AAC、LDAC
連続再生時間:約120時間

WA-V1-PNK [有線/ANC ON] 周波数特性(平面計測)

WA-V1-PNK [有線/電源オフ] 周波数特性(平面計測)

WA-V1-PNK モード毎の周波数特性差異



寸評:
ピエール中野氏監修「ピッドホン3」。
低域の強烈なドンシャリ。シリーズ一貫した低音主張は一層増強され、重く籠った中でキックがやたらとボンボンと響きまくる。そんな中でも高域は艶やかに聴かせるのだが、中高域が削がれた過剰な音場演出で奥行きが深くヴォーカルは遠い。
シリーズで初めてノイズキャンセリングを搭載。オン(ノイズキャンセル)、オフ(ノーマル)、外音取り込み(アンビエント)の3モードがあり、ケーブル接続時にも有効化できる。

ハイレゾを謳うが、根拠となる周波数特性値がなぜか伏せられている。
2デバイス同時接続。8デバイスとのペアリングを記憶。
ガイダンス音声は日高のり子。

専用モバイルアプリ「AVIOT SOUND ME」によりサウンドや操作のカスタマイズが可能。設定情報は本体に記憶されるためカスタム状態を維持できるのは良いが、EQ調整幅が小さく、この強烈な癖を抑制するにはあまりにも非力すぎる。

ALPEX Hi-Unit 002-pnk ピッドホン2

アルペックスハイユニット 002-pnk ピッドホン2  (2023年発売)


構造:密閉ダイナミック型
ドライバー:40mm
インピーダンス:32Ω
最大入力:15mW
再生周波数帯域:20〜20,000Hz
出力感度:93dB
重量:約225g (実測)
販売価格:約32,000円〜
Bluetooth規格:5.0
対応コーデック:SBC、AAC、aptX、aptX HD
連続再生時間:約22時間

Hi-Unit002 Frequency Response
Hi-Unit 002-pnk [有線接続] 周波数特性(平面計測)


寸評:
ピエール中野氏監修による「ピッドホン」の二代目。
野太い低域荷重サウンド。中〜高域側は比較的ナチュラルにまとまっており、中高域の密度により主役が前面に立ってくるが、強い低域主張が音像を緩く濁らせがち。
装着感はごく標準的だが、コンパクトでフィット感も良い。
ペアリングは8台まで記憶。
音声ガイダンスは凛として時雨TK氏によるギターサウンドを採用。

AVIOT WA-Z1PNK

アビオットWA-Z1PNK (2022年発売)


構造:セミ・オープンエアー型
ドライバー:平面磁気駆動型
インピーダンス:32Ω
最大入力:非公開
再生周波数帯域:10〜40,000Hz
出力感度:83dB
重量:約419g (本体のみ実測)
販売価格:約56,000円〜
Bluetooth規格:5.2
対応コーデック:SBC、AAC、LDAC
連続再生時間:約20時間


 

WA-Z1PNK 周波数特性(平面計測)


寸評:
凛として時雨 ピエール中野氏監修によるフラッグシップヘッドフォン。通称「ピッドホン」。
サウンド傾向は豊かな低音に存在感がある一方で中高域にかけての減衰が深めで、ピーキーな高音のシャリつきが際立つワイドなドンシャリ。ヴォーカルなど主役はやや奥まってかすれ気味に映る。
セミ・オープンを謳うが、バッフル抜けのない密閉構造により耳に吸い付くような装着感で開放性はない。背面メッシュ部からの音抜けも小さいため、密閉型と踏まえて然るべき。
平面ドライバを採用した贅沢な仕様だが、能率(出力感度)が極端に低いため有線使用時はアンプのパワーが欲しい。
本体重量400gオーバーは流石に重い。
Bluetoothペアリングは8デバイスを記憶。同時接続は2デバイスまで。
ボイスガイダンスは緒方恵美。


2025年6月22日日曜日

Philips SHP9600

フィリップス SHP9600 (2020年発売)



構造:オープンエアー型
ドライバー:50mm
インピーダンス:32Ω
最大入力:200mW
再生周波数帯域:6〜35,000Hz
出力感度:102dB
重量:約292g (コード含まず)
販売価格:約10,000円〜(国内正規販売なし)


SHP9600 Frequency Response
SHP9600 周波数特性(平面計測)


寸評:
中高域が深い底となる極端なドンシャリ。サウンドバランスは崩壊し主役が後方へ退き埋もれてしまう。中高域(3kHz前後)をしっかり補強して健全なサウンドを楽しみたい。

構造面は先代SHP9500を踏襲しており、装着性は引き続き良好。

2025年6月21日土曜日

TAGO STUDIO T3-01

タゴスタジオ T3-01 (2017年発売)



構造:密閉ダイナミック型
ドライバー:40mm
インピーダンス:70Ω
最大入力:1,000mW
再生周波数帯域:5〜40,000Hz
出力感度:100dB
重量:約321g (コード含まず)
販売価格:69,300円(税込)


T3-01 Frequency Response
T3-01 周波数特性(平面計測)


寸評:
「究極のナチュラルサウンド」を目指したという評判モニター。
原音忠実再生といった狙いとは少し異なる印象だが、全体バランスは概ねニュートラルで、中〜中高域に至るリニアに整った特性により無用な奥行き演出なくヴォーカルを正確な位置に浮き立たせる。ただ意図的なのか高域の鋭さが削ぎ込まれた少々エッジの緩いソフトなサウンドで、いささか解像乏しくも映る。
低域レンジはやや浅めだが、タイトに膨らませて若干パンチを効かせる。

フロック生地仕様のイヤーパッドはソフトで厚みがあり、包み込まれるような装着感。ヘッドパッドも交換可能なので長期に渡って使える。
丈夫そうな布巻きケーブルだが、硬質でねじれやすく、また擦れ、タッチノイズが伝わりやすいなど難点が多い。
贅沢なウッドのエンクロージャーが目を惹くが、価格と重量に重くのしかかる...

2025年5月4日日曜日

aidio-technica ATH-R30x

オーディオテクニカ ATH-R30x (2025年発売)




構造:オープンエアー型
ドライバー:40mm
インピーダンス:36Ω
最大入力:1,000mW
再生周波数帯域:15〜25,000Hz
出力感度:92dB
重量:約210g (コード含まず)
販売価格:約17,000円〜

Frequency Response
ATH-R30x 周波数特性(平面計測)


寸評:
オーテクプロ用開放型モニターATH-Rシリーズ後発のエントリーモデル。
高域主張型のドンシャリバランスが故に主役はやや退き気味となるが、比較的曇りなくクリアーに聴かせる。低音域はナチュラルにしっかりと出ており決して過多ではないが、中抜け分の主張は目立つ。
ニュートラルな優等生R70xaやクリアーに聴かせるR50xに比べれば流石に解像は劣るが、シャープで元気なサウンドを好むならこのチョイスもアリ。

両出しケーブルは3mの直出し。
装着感はR50x同様に良好。イヤーパッドが廉価な分やや熱がこもりやすい。
脱着式のヘッドパッドも廉価仕様だが、面ファスナーで強固に固定される点は◎。R70xa用とはサイズ互換あり。

aidio-technica ATH-R50x

オーディオテクニカ ATH-R50x (2025年発売)




構造:オープンエアー型
ドライバー:45mm
インピーダンス:18Ω
最大入力:1,600mW
再生周波数帯域:5〜40,000Hz
出力感度:93.3dB
重量:約207g (コード含まず)
販売価格:約25,000円〜

ATH-R50x 周波数特性(平面計測)


寸評:
R70xaと同時に登場した弟分。
ツヤのある高域と深くキレの良いローエンドにパンチが効いた若干ドンシャリ傾向のサウンド。類似性で言えばベイヤーのDT 990 Proを彷彿とさせる空気感に優れた出音だが、ワイドにスッキリと見通しよくメリハリのあるサウンドを聴かせる。

M50x等と同じ脱着式片出しケーブルはやはり取り回し良く機動力が高い。
R70xaよりも幅広ヘッドアームで耳当て部の角度に融通が効くので、大きめな頭でもフィット感良く抜群の装着性。

aidio-technica ATH-R70xa

オーディオテクニカ ATH-R70xa (2025年発売)




構造:オープンエアー型
ドライバー:45mm
インピーダンス:470Ω
最大入力:1,000mW
再生周波数帯域:5〜40,000Hz
出力感度:97dB
重量:約199g (コード含まず)
販売価格:約49,000円〜

Frequency Response
ATH-R70xa 周波数特性(平面計測)


寸評:
国産機屈指のピュアサウンドモニターR70x登場から十年目のアップデート。
構造面が大幅に変更され小型化と若干の軽量化が図られているが、軽く良好な装着感は相変わらずで見た目ほどに大きな違いはない。
サウンド面の違いは極めて希薄。強いて言うなら低域がわずかに補強されたような印象がなきにしもあらずではあるが、装着の具合で変わる(サンプル動画音もその傾向が出ている)部分なのであくまでも肌感覚レベルの微差であることを強調しておく。

ヘッドバンドパッドはマグネット固定式で脱着が可能で位置変更もできる。ただし固定(磁力)が少々頼りない。
両出しケーブルは従来同様に左右区別なく脱着できるので迷わない点は良いが、左右の非常に判りづらいボディ外観は相変わらずで、この改善は欲しかった。

2025年4月19日土曜日

audio-technica ATH-GDL3

オーディオテクニカ ATH-GDL3 (2021年発売)

構造:オープンエアー型
ドライバー:45mm
インピーダンス:45Ω
最大入力:非公開
再生周波数帯域:10〜35,000Hz
出力感度:98dB
重量:約220g (コード含まず) / 約227g (マイクロフォン装着時)
販売価格:約9,000円〜

ATH-GDL3 周波数特性(平面計測)


寸評:
中高域が薄く芯の細い鳴りは同社ATH-HL7BTのサウンドに近いが、高域の立ったバランスによりシャリつきがちだが、伸びツヤがありスッキリと聴かせる。一見厚みがありそうな低音域は適量。

ゲーミングヘッドフォンの類で着脱式ブームマイクが付属。本体左チャンネルに音量調整、マイクのミュートスイッチを備える。
作りはいささかチープだが、軽量で適度な側圧で装着感は良い。

2025年4月13日日曜日

SoundWarrior SW-HP20-B

サウンドウォーリアー SW-HP20-B (2016/2017年発売)


構造:密閉ダイナミック型
ドライバー:40mm
インピーダンス:40Ω
最大入力:150mW
再生周波数帯域:10〜35,000Hz
出力感度:101dB
重量:215g (コード含まず)
販売価格:約17,000円〜

Frequency Response
SW-HP20 周波数特性(平面計測)


寸評:
非常に深くまで響かせるワイドな低域が特徴的で、若干低域側に荷重が強いが、中〜高域は概ねニュートラルにスッキリとクリアーな鳴らし方で見通しが良い。

初期バージョン(SW-HP20)との違いは付属ケーブル類のみで、本機には着脱式両出し1.2mケーブルに2m延長ケーブルが付く。