2024年7月14日日曜日

NEUMANN NDH 30

ノイマン NDH 30 (2022年発売)


構造:オープンエアー型
ドライバー:38mm
インピーダンス:120Ω
最大入力:1,000mW
再生周波数帯域:12〜34,000Hz
出力感度:104dB
重量:352g (コード含まず)
販売価格:約90,000円〜

NDH 30 frequency response
NDH 30 周波数特性(平面計測)


寸評:
定番レコーディング用マイクの老舗として知られるNeumannブランドから登場のフラッグシップクラスモニターヘッドフォン。
シルバー基調のどっしりと重量感のある少々ゴツい風貌だが、音響構造面は親会社であるSennheiserのHD 600シリーズから受け継ぐ部分が多いようでサウンド傾向も非常に似通っているが、リニアに伸びる深い低域レンジと高域のエッジが抑制されている点が特徴的で、ワイドな可聴域を満遍なくニュートラルに鳴らす。
堅牢なアルミボディは重量と冷たさを伴う。また珍しい右出しのケーブルは少々戸惑う。

2024年6月5日水曜日

Philips Fidelio X3

フィリップス フィデリオX3 (2020年発売)


構造:オープンエアー型
ドライバー:50mm
インピーダンス:30Ω
最大入力:100mW
再生周波数帯域:5〜40,000Hz
出力感度:98dB
重量:約340g (コード含まず)
販売価格:約35,000円〜

Fidelio X3 Frequency Response
Fidelio X3 周波数特性(平面計測)


寸評:
ディップ型の弱ドンシャリ。全体的に適正なバランスへ抑えられたことで、大味な先代X2(HR)よりは随分落ち着いて聴きやすくなっているが、ヴォーカルなどが細身となり奥まった鳴らし方なのがちょっと気になる。
重量感はさほど変わらないが、Fidelio伝統の重々しいメタルメッシュのデザインを封印し、カップは透過性に優れたファブリックで覆われ、ヘッドバンドはレザーに変更されるなどシックでリッチなデザインになった。

Philips SHP9500

フィリップス SHP9500 (2013年発売)


構造:オープンエアー型
ドライバー:50mm
インピーダンス:32Ω
最大入力:200mW
再生周波数帯域:12〜35,000Hz
出力感度:101dB
重量:約320g (コード含まず)
販売価格:約1万円〜 (国内正規販売なし) 

frequency response
SHP9500 周波数特性(平面計測)


寸評:
明瞭な高域が立つドンシャリサウンド。大型ドライバの恩恵かオープン型ながらに低域に深みがあるがFidelio X2HRほどに主張はせず概ね適量。中高域のギャップも相まって本来あるべき音場が派手に化けるが、これはこれである種心地良い聴かせ方とも?
大振りなボディだが、大口径イヤーパッドとヘッドパッドは通気の良いファブリック仕様で側圧も軽く装着性は良い。

Philips Fidelio L3

フィリップス フィデリオ L3 (2022年発売)

[ANC OFF]

[ANC ON]


構造:密閉ダイナミック型
ドライバー:40mm
インピーダンス:16Ω
最大入力:20mW
再生周波数帯域:7〜40,000Hz
出力感度:103dB
重量:約360g (コード含まず)
販売価格:約3万円〜 (国内正規販売なし)
Bluetooth規格:5.1
対応コーデック:SBC、AAC、aptX、aptX HD
連続再生時間:32時間 (ANC on)、38時間 (ANC off)

Fidelio L3 Frequency Response
Fidelio L3 周波数特性 [ワイヤード/ANC on](平面計測)


寸評:
サウンド傾向は、中〜高域に関してはヴォーカル域をしっかりと聴かせながらも派手さのない落ち着いた出音だが、低域の出し方は条件によってかなり異なる曲者。
というのも内蔵アンプありきでの再生動作となっており、ケーブル接続しても本体パワーを入れないと全く音が出ない特殊な仕様で、サウンドチューニングもアンプ(EQ)依存しているのだが、ANC ON/OFFにより音質の違いが殊の外大きく、ONでは超低域が過剰気味に効いた重心の深いサウンドを聴かせる一方、OFFでは一転して低域に力なく痩せた鳴らし方となってしまう。バランス的にはこのちょうど中位的なチューニングが望ましいと思えるのだが...

メタルパーツが多いためか見た目以上の重量級。
右チャンネルバッフル面にセンサーが顔を出しているのはさすがに退く。

2024年3月25日月曜日

Sennheiser HD 490 PRO

ゼンハイザーHD 490 Pro (2024年発売)

HD 490 PRO [Producing Ear Pads]

HD 490 PRO [Mixing Ear Pads]

構造:オープンエアー型
ドライバー:38mm
インピーダンス:130Ω
最大入力:非公開
再生周波数帯域:5〜36,100Hz
出力感度:105dB
重量:約260g (コード含まず)
販売価格:約60,000円〜

HD 490 PRO (P) Fequency Response
HD 490 PRO [Producing Ear Pads] 周波数特性(平面計測)

HD 490 PRO (M) Fequency Response
HD 490 PRO [Mixing Ear Pads] 周波数特性(平面計測)


パッケージ内掲載の公称グラフ


寸評:
サウンドカラーの異なるイヤーパッドが2種用意されているが、これにより大きな音質変化を体現でき、イヤーパッドというパーツの重要性を改めて思い知らされる。
ヘッドバンドパッドも面ファスナーで脱着交換が容易。
同社他現行モデルと比べてヘッドアームの伸縮にゆとりがあり適度な側圧。また稼働部の自由度が高く軽快に動くため装着の決まりが良い。
付属ケーブルは1.8mミニXLR仕様の片出し式だが、左右どちらも接続可能。また接続部直下のコイルによりケーブルの接触ノイズを遮断。
非力なアンプでもパワフルに再生できる高能率性能。

プレミアムセット売りの"PLUS"には、専用ケース、3mケーブル、ファブリック仕様のヘッドパッドが追加付属する。

[Producing Ear Pads]
リスニング向けのイヤーパッドで、こちらがデフォルトで出荷されている。
ベロア表皮だが、ソフトな低反発の中密度ウレタンによって遮蔽性があり、これにより低域側に荷重の乗った大味なドンシャリサウンドが得られる。

[Mixing Ear Pads]
ファブリック表皮に低密度ウレタンの軽いクッションの仕様で音抜けが良い。
中高域が薄く音場を少々広めに聴かせる演出はあるが、全域を通して概ねニュートラル。特に中域から超低域に至る平滑性は素晴らしく低域レンジの深さにも目を見張るものがあるが、重々しくならずナチュラルに鳴らす点は秀逸。
本機の性能を活かすならこちら。